2010年12月20日月曜日

食卓

長年よりそった夫婦。もくもくと夕食をとる。もくもくとスプーンをくちにはこぶ以外、とくに話すこともなく、食器のぶつかるおとが大きく響く。もう若いころみたいに「おいしいね」なんていわなくなった夫。妻だって「おいしいでしょ?」なんて確かめもしない。食事を終えて席を立つ夫にひとこと「薬のんだの?」。ただそれだけの食卓。

ダイニングから暖かな湯気とおいしいそうなスープの匂いが漂い、そこに2人が向かい合ってすわる。何とも言えぬ温もり。愛なんだよね、これが。